SOMPOコミュニケーションズ株式会社
人事総務部 人財開発グループ課長 余越 真樹 様
メンバー一人ひとりの資質を理解し
強みを活かすマネジメントを目指す
—人材育成に関する基本方針と育成の仕組みについてお聞かせください。
当社はSOMPOホールディングスグループの一員であり、唯一のコンタクトセンター運営会社です。従業員の9割近くは、コンタクトセンター業務に従事しています。事業の特性上、一人ひとりのパフォーマンスが会社の業績に直結しますから、当社にとって最大の財産は人だと考えています。そのために人材育成には力を入れており、コンタクトセンターの専門スキルを磨く研修や、昇格のタイミングで受講させる役職別の研修を多数用意しています。
—プレセナの研修はどのような位置付けにあるのでしょうか。
主任、課長代理といった中堅層向けに、米国ギャラップ社のストレングスファインダー®という診断ツールを活用した1日研修をお願いしています。ストレングスファインダー®は、世界1300万人の統計データに基づき、34の資質からその人の才能を見出していくというものです。コンタクトセンター事業では、対応の品質をそろえなければなりませんから、どちらかというと、個々の強みを活かすというよりも弱点を補う、苦手な分野を底上げするようなマネジメントが中心になりがちです。しかし、それだけではどうしても組織として閉塞感が生まれてしまうのも事実です。やはりメンバーをやる気にさせて力を引き出してこそ、チームとしての成果も上がると思うので、何か良い手法はないものかと長年探していたところでした。今回の研修も、単なる経営知識の伝授ではなく、マネジメントとして「視座を高く持つ」ような内容にしたいと考えていました。ストレングスファインダー®は、個人攻撃にならずに、その人の資質を理解した上でコミュニケーションやマネジメントに活用できるという点で、魅力を感じました。
◆ ストレングスファインダー®研修 タイムテーブル
—研修を実施してどのような感想を持たれましたか。
一番大きいのは、講師である高田先生を通して理解をしていくという所です。研修の中で具体的に、ご自身が経営されているプレセナの中に「こういう人がいるんです」という、マネジメントの立場からの実例が入るんです。ストレングスファインダー®については書籍も出ていますが、本を読んだだけではなかなか具体的なイメージを描きにくい。ひとつひとつの資質については理解できても、例えばそれが組み合わさったとき、どういう行動に現れるのかなどはわかりにくいんですね。そこを研修仕立てで、皆でホワイトボードを用いたディスカッションやワークをしたり、実際のマネジメントとしての体験談を聞いたりすると、すんなり理解できるのでとてもよかったと思います。この研修は受講者からも好評で、それぞれの個の違いを理解することは、マネジメントをする上で非常に役に立っているのではないかと思います。
最近では、受講した人が増えてきて、皆でお酒を飲んでいる席でもストレングスファインダー®の話題が出てくることもあります。「自分は戦略性が1位だった」とか、「あなたは 何が高かったのか?」などと共通の話題として皆で話ができるようになってきました。その意味では、かなり広がってきたと思います。次のステップとしては、それをチームマネジメントにどう活かすかですね。例えば職場のマネジメントの一環として、部下の資質を知りたいと思ったときにどうするのか。全員が研修を受けていればいいのですが、受講していない人でも使えるツールのようなものがあると良いなと思っています。また、勉強会のような形で、お互いを理解するための会話をする場を設けるのもよいかなと思っています。
—人材育成に関して今後の展望をお聞かせください。
現在、当社にとっての最大の課題は人を確保すること。もちろん常に採用はしているのですが、これからますます採用が難しい時代になってくるので、いかに当社で長く働いてもらうかが重要になってきます。そのために様々な調査も行っているのですが、「仕事が難しかったから」という退職理由が上位に来ることが多い。仕事のむずかしさを克服し、働き続けられた理由を尋ねると「同僚が助けてくれた」「上司が支えてくれた」など、人間関係で乗り越えたケースが多いんですね。その意味では、やはり弱い部分を底上げするだけではなくて、その人の良さを伸ばしたり、個性や価値観にあったサポートをするといったことが、マネジャー層には求められるのだろうと思います。
個別に、一人ひとりの違いを踏まえたコミュニケーションをとっていくと、少し人間関係の幅が広がって、結びつきが強まり、長く働いてくれる人が増えるのではないか。そのためにストレングスファインダー®は非常に有効なツールのひとつだと思いますし、こうしたものを活用しながら一人ひとりの資質に合わせたアプローチを取り、一緒に課題を乗り越えていくことができればと考えています。
余越 真樹様、お忙しいところどうもありがとうございました。(聞き手 高田 貴久)
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